第20章 火影に呼ばれて
―――後日。
第七班のメンバーはカカシに呼び出されていた。
が、約束の時間が過ぎてもカカシは現れない。
「だあああ!遅いってばよ!自分から呼び出しておいて何なんだってばよ!」
「うるさいわよ、ナルト!ったく、カカシ先生ったら何してんのよ!?」
ナルトとサクラが我慢できないといったように声をあげる。
サスケも黙ってはいるものの、イラついてはいるようだ。
しばらくすると、その場にカカシが現れた。
「ごめんね、遅くなっちゃってー」
「カカシ先生、遅い!自分から呼び出しといて何なんだってばよ!」
「まあまあ、そう怒んないでさ。はい、これ志願書」
「は?・・・志願書?」
カカシが手に持っている紙をそれぞれに渡す。
まじまじとその紙を見ている三人にカカシが告げた。
「今度、中忍試験があるでしょ?それの」
その言葉にいまいちピンときていなかったナルトだが、少し黙ると、カカシに勢いよく抱きついた。
「カカシ先生ー!マジサンキューだってばよ!」
「うわっ・・・ちょっと、離れなって」
口ではそう言いつつも、カカシは満更でもないようだ。
「参加するのは個人の自由だよ。自分で決めるといい―――・・・あ、それと、当日、もし参加するならもう一人一緒に行くことになってるから」
いつも通りの表情でサラリと言ったカカシに首をかしげる三人だったが、それを聞く前にカカシは消えてしまった。
「ちょっ・・・あー、もう・・・また逃げられた!」
サクラが悔しそうに言う。
三人はカカシが消えたことにより、それぞれ別れた。
『火影に呼ばれて』
“罪滅ぼしの優しさ”