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うちはに転生しました。

第17章 波の国の悲しさ。











「こんなところにいたの?ったく、ナルトといいキミといい・・・」


そう言って出てきたのはカカシだった。


「カカシさん・・・」

「ほら、戻るよ。ナルトはもう戻ったから。あとはキミだけ」


呆れたように言うカカシを一瞥するが、どうも戻る気にはなれない。

気まずいのもあるけど、まだここにいたい。


「あの。先に行っててください。あとでちゃんと戻りますから・・・」

「ああ・・・戻りたくないの?」

「いえ、別にそういうわけじゃないんですけど・・・」


一人になりたい。

そう言えば良かったが、さっきのことがあるのであまり生意気なことは言えないと思った。

仕方ない。

そう思って、立ち上がり、カカシと一緒にタズナ家に戻る。

歩いていると、カカシは急に話を切り出した。


「・・・キミさ、木ノ葉に住んでるわけじゃないんだよね」

「はい」

「なら・・・どうしてナルトとサスケの昔のこと知ってるのかな?」


チラリとカカシを見れば、目が合う。

まるで「言い逃れはさせない」とでも言わんばかりだ。


(子供相手にその目はないだろ・・・)


「・・・なるほど。それを聞くためにわざわざ私を探して?」

「いーや?これはついでだよ」


(・・・バリバリ本命でしょ。さて、どうやって誤魔化そうかな・・・)



「そうですね。じゃあ、秘密です」

「・・・オレ、結構、真面目に質問したつもりだけど、分からなかった?」

「いや?エロ本ばっかり読んでるカカシさんが真面目だってことは分かりました」

「・・・エロ本って・・・」


「ナルトくん情報です」と言うとカカシは「まいったな・・・」と苦笑いしただけだった。

すると、そうこうしているうちにタズナ家が見えてきた。


「着いちゃいました」

「・・・うん」

「・・・そんなに気になるのなら、三代目さまに聞いてください。あの方なら、答えてくれるんじゃないですか」


ごめんなさい、三代目。押し付けてしまって。

内心そんなことを思いながら、ヘラリと笑ってみせるとカカシも諦めたように乾いた笑みをもらした。








『波の国の悲しみ』


“悲しみの先に”

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