第2章 子供時代と一つの事件。
「・・・おい!まだ来ねえのか!!」
ギリ、と耳元で男の歯を食いしばる音が聞こえた。
あのお姉さん走って行ってから、もう何分経っただろう。
(・・・人、増えたなー)
周りには同じく緑色のジャケットを着た大人たちが周りを囲み、手にクナイを持っている。
(うわ、生クナイ。てか、私を殺そうとしているコレ、クナイだったのか)
「・・・おい、お前よせ!こんなことして恥ずかしくないのか!!」
「うるせえ!!!お前に用はねえんだよ!!!」
説得を試みるも、意味なし。
「・・・ッ、近づくんじゃねえ!!コイツを殺すぞ!!!」
ジリジリ、と周りの大人たちが距離を縮めようとするも失敗。
(・・・どうするんだろう)
私、このまま殺されるのかな。