第2章 子供時代と一つの事件。
人が賑わっているところまで来た。
色んな人の声が聞こえる。
「――――ハル、俺はな?お前のことが大事だよ。だからこそ、こうやっているんだろう?」
「・・・・・」
「俺はまだまだ無力だけど・・・お前とサスケ、守るからな?」
「・・・イタチ兄さん?」
「こんなこと、ハルにはまだ分からないかもしれないけど・・・」
「・・・俺はお前を愛している。だから、大切なんだ。守りたいって思う。俺だけじゃない、母さんや父さん、それにサスケだって・・・まあサスケは愛とかそういうのまだわからないだろうけど、お前のこと、守りたいって思ってるだろ」
その言葉を聞いたとき、思わず、大声で泣きたくなった。
”愛している”だなんて、一体いつ言われたことがあるだろう。
”愛”なんて、いつ感じたことがあるだろう。
初めてだった。
自分は生きていてもいいんだって、教えてくれている、そんな気がした。