第10章 逃げ込んだ先に。
翌朝。
アジトでは、暁メンバーが次々と起きていた。
しかし、朝食時になっても起きてこないのが一人いた。
「はよ・・・あー、眠い・・・ん?あれ、デイダラは?」
最後に起きてきたのは飛段で、欠伸をしながら席についた。
「っていうかイタチさ・・・まだ機嫌悪いわけ?いい加減直せよー、死んだ訳じゃ無いんだろ?」
「黙れ」
二日前から機嫌の悪いイタチ。
低血圧のくせに、さらにとなると、めんどくさいこと極まりない。
と、メンバーは思うのだったが、理由は妹が行方不明ということなのだから、何も言うことが出来なかった。
「・・・こっえーな」
ひょい、と首をすくめる飛段だったが、その直後、デイダラの声が聞こえた。
「おい、いい加減起きろって言ってんだろ、うん」
「・・・あ?おいおい、デイダラちゃんは朝から誰と喋っているんだ?」
デイダラ以外のメンバーはこれで全員。
他に誰かいるというのか?
「ったく、仕方ねえな」
その声が聞こえた後、デイダラの姿が見えた。
「あ、オイラが最後か、うん」
「はっ?―――ちょっちょっちょっ、い、イタチ!!」
「―――何だ」
飛段が朝から大声を出してイタチを呼び、イタチは不機嫌そうに視線をチラリと横目で見た後、目を見開いていた。
「えっ・・・?」
鬼鮫に至っては、持っていたお玉を落とし、サソリは傀儡を磨く手を止めていた。
「んー・・・」
それに比べ、呑気に眠たそうな声を出している少女。
デイダラの背中に乗っている。
その横には、少女をチラチラ見上げながら歩くいつか見たネコ。
「は、ハル・・・?」
一番に声を出したのは、イタチだった。