第7章 帰ってきました。
「やっぱり・・・」
「わっ」
私を抱っこするイタチ。
「あら?あなた、あのときの・・・」
気づく小南。
『あー・・・』
何かごめん、とスイレンが言ったのが分かった。
「・・・・ハル」
兄に呼ばれたのは久しぶりで。
頬に手を伸ばされる。
触れた手は、懐かしかった。
「・・・イタチ兄さん」
ギュッと抱き締められたと思ったら、抱っこされている状態になった。
掠れた声で兄を呼ぶ。
「ハル。探した」
「・・・うん。会いたかったよ」
首に手を回し、肩に顔を埋める。
懐かしいその手に、思わず涙が滲んだ。
「・・・大きくなったね、イタチ兄さん」
「お互い様だな。・・・帰ってから色々と聞きたいことがあるから、覚悟しておけ」
「・・・・ハイ」
我がお兄様は静かにお怒りのようです。
『帰ってきました。』
“・・・妹に似てるんだ”
“クロ、また今度な”
“・・・探した”
“ハル、会えて良かった”