第2章 子供時代と一つの事件。
カカシが私の前まで来て、足を止める。
「ん・・・?キミ、イタチの・・・?」
「・・・・・・」
とりあえず、だんまり。
じっとカカシを見上げる。
そのまま数秒間。
すると、カカシがふっと笑った。
「・・・偉いね」
「え、」
「お兄さん、迎えに来たんでしょ?」
「・・・サスケ兄さんがそう言ったから」
「そう。キミは行かなくていいの?」
だって、キミまだ小さいでしょ?甘えなくていいの?
そんなことを言いたげな目だ。
(目は口ほどに物を言う。こういうことか)
「・・・・・・」
なんて返したらいいのか分からくて、目をそらしてイタチとサスケの方を見る。
すると、何を思ったのか、カカシは私にこう問うてきた。
「キミ、名前は?」
「・・・ハル」
「ハル、ね。俺はカカシだ。よろしくな」
(知ってるよ)
なんて言えるはずもなく、ただコクンと頷いた。