第8章 壁を突破せよ!
つぎの日、私が教室に入ると人は一人だけしかいなかった。でも話したことのない人だから名前も分からない。
荷物の整頓をしていると、私よりも先に来ていた子が話しかけてきた。
「ねぇ、生野さん。ちょっといい?」
なんでこの人私の名前知ってるのぉぉぉぉぉ!!
「い、いいけど、どうして私の名前知ってるの?」
「え、だって同じクラスだし、澤村からも聞いてるし」
「澤村くん?澤村大地くんのことか」
「そ!同じ中学校だったし、部活も同じバレー部だったし。」
「そうなんだ。あ、名前、教えて欲しい。」
「あ、そっか!私、道宮唯!唯って呼んでね!」
名前を告げると自分の席に戻っていった。
道宮・・・唯ちゃん。澤村くんの友達か。
放課後・・・
「東峰くん、行こう。きっと澤村くんと孝支くんが待ってるから。」
「ああ、そうだな。待たせると大地怖そうだし・・・」
こ、怖そう!?・・・・・そうかもしれない
2人で集合場所の校門まで行くと孝支くんと澤村くんの姿が見えた。
「ごめん、2人とも、遅くなっちゃって」
「いいよ。俺らもほんの数分前に来たとこだしな、菅!」
「ああ!って旭がいつもより小さく見えるんだけど・・・」
それは、澤村くんに怒られるのではと思い、ビビってるだけ。別に澤村くんは怒ってないからビビる必要もないのにね。
まぁ、なんだかんだで私の家に向かって歩き出すことにした。