第4章 そして別れ
「伊緒さんーーーーー!!!」
遠くで趙雲の私を呼ぶ声がする。
ごめんね、趙雲さん。
私は一瞬声のする方を見たが、再び二人に向き直った。
「伊緒…また来い」
呂布はそう言って、思いっきり指輪を踏みつけた。
バリバリと頭が割れるほどの大きな雷鳴が轟く。
それと同時に激しい閃光が自分を包み込み、二人の姿が薄らいでいく。
「呂布兄、…大好きだよ」
聞こえないだろうという小さな声で、私はそう言った。
「また来い、伊緒…」
こうして私の夏休みは終わった。
そして私の手には、あれが夢じゃないという証拠が1つ残ったのだ。
「おっはよー!あれ?伊緒、珍しい。指輪なんてしちゃって!どうしたの?男にもらったの?」
登校日の朝。友人が明るい声で私に呼びかけてきた。
私は指輪を撫でながら話し始めた。
「あ、これ?これはね。 ある雷の夜に…」
atogaki
一応第一章は終わりましたが、何がしたかったのやら、という感じですね。無双の世界を楽しみたいというあれで書き始めたのに、楽しんでないし…!
サイドが本編みたいな感じになりそうですが、とりあえず第二章か妹の迷い込む話を書きます。