
前を歩く及川が立ち止まり、くるりと体を姫に向ける。
及川 徹
だからさ俺が今、何を望んでるか賢い姫にはわかるよね?
(あ、バレーしてる時にみせる本気の瞳だ。これ、名前で呼ばないと絶対、怒らせてしまうやつ)
姫は意を決したように鞄の取っ手を握りしめる。
と……おる……せんぱい……
及川の視線はまっすぐ姫を見つめたまま微動だにしない。
姫が沈黙に耐えきれず、もう一度口を開こうとしたその時——
及川 徹
んーまぁ及第点かな!
及川はパッと笑顔を浮かべると姫の手を引き歩き出す。
あのっ!
及川さ——
及川 徹
違うでしょ?
クリックして次のテキストを表示

http://dream-novel.jp
