作者プロフィール
専用掲示板
当掲示板をご利用になる方へ
誹謗中傷はお断りさせて頂きます。
他作者様の名前や作品名を挙げる事も禁止です。
よろしくお願いします。
  • 『無個性』没アイディア (5)
    ヒロアカ夢『"無個性"だけどヒーロー科』の没アイディア
    [投稿日] 2018-04-11 22:16:57[投稿者] にゅい
    ヒーロー基礎学(21.22ページ)その1.

    「なあ、#NAME2#」

    教室に戻ると、後ろの席の男子に話しかけられた。
    振り向いて、ドキリとする。

    自分に声を掛けてきたのが轟焦凍──エンデヴァーの息子だと分かったからだ。

    「何?轟くん、だったよね」

    動揺を悟られぬよう冷静に返す。

    ──まさか、私の事…

    緊張が高まる。
    彼は知性的なはず。
    無闇にこちらの"事情"を吹聴するような人間とは思えなかったが、警戒するに越したことはない。

    さて、どうやって切り抜けるか──と考えたところで、轟は無表情のまま小首を傾げた。

    「俺、お前と昔会ったことある?」

    ──げっ、まじで記憶力いい!?

    「え…と、何の事……かな?人違いじゃない?」

    申し訳なさそうに笑うと、轟はそうか、とだけ頷いた。
    無表情なだけに、感情が読めないのが憎らしい。
    [投稿日] 2018-04-11 22:18:51[投稿者] にゅい
    ヒーロー基礎学(21.22ページ)その2.

    「初対面の気がしなかったんだ…悪かったな」

    どうやら信じてくれたようだ。
    良かった、と内心で溜息。

    個人的には、彼に"事情"が知られても仕方ないと割り切れるのだが、恐らく自分の周囲がそれを良しとしないだろう。

    そうなった場合、轟に迷惑がかかる可能性がある。それは何としてでも避けたい事だった。
    実際、轟とは10年以上前に1度だけ会ったことがあるのだが、それは黙っておくことにした。
    思い出されては、なぜ会ったのかとの記憶まで刺激してしまうかもしれないからだ。

    全く、──ここまで気を遣わなければいけないという状況に、頭が痛くなる。

    自分は何もしていない。
    どれもこれも、あの男のせいだ──

    ブー ブー

    バイブが鳴り、スマホが着信を知らせた。

    「出ていいぞ」

    ぺこっと頭を下げ、そのまま通話に繋いだ。
    誰からの電話なのかは見ずとも容易に想像がついたからだ。

    「はい…まだ学校なんだけど」
    『分かってる。…余計な事を話すなと釘を刺しておきたかっただけだ。心配するな』
    「心配なんかじゃないわよ、クラスメイトとのお喋りを邪魔しないでって言ってるの」
    『は、お前にも友達ができるようになったんだな』
    「…そういうのは家で聞くから」

    じゃあね、と返事を聞かないまま電源ごと切る。

    [投稿日] 2018-04-11 22:20:00[投稿者] にゅい
    夢主の入学決定直後。1章に入れる予定でした


    「あの。これは一体どういう事でしょうか」
    職員室にて。
    無精髭を生やした男が、書類を見ながら静かに問うた。
    少し苛立っているようで、その口調は鋭い。
    すると、金髪にサングラスという、彼とは対照的に派手な印象の男が笑った。
    「おいおい、お冠かい?カルシウムが足りてねぇんじゃないのか?子供の巣立ちだ、見守ってやろうぜ!!!」
    「…俺はあいつの親じゃない」
    そんな様子に、ネズミのような小さな生き物がにこっと笑う。
    「まあまあ、良いじゃないか!"事情"から逃げずにヒーローになろうと志す…尊敬に値するね」
    逆三角の形をした眼鏡を掛けた女性は首を傾げた。
    「でもねぇ…個性が知られれば、気付く子供もいるんじゃない?有名ではあるでしょう、この子」
    どうするの?との問いに、沈黙が訪れる。
    「…隠シ通スシカナイダロウ」
    それに答えたのは、白いトレンチコートの男だった。
    「でも、どうやって?」
    「無個性として通す、とか」
    「それだと注目集めすぎないか?」
    「…なら、秘密として通す」
    フム。
    全員の意見が一致した。
    そして、
    「…やっぱり俺ですか」
    視線はそのまま無精髭の男へと注がれる。
    「不満なら俺がやるぜ?なんてったって、俺と彼女はナイスでグーッドな関係を築いているからな!」
    「誤解を招く言い方はよせ。…説得しておきますので」
    金髪男を窘めたあと、無精髭はそう言った。
    [投稿日] 2018-04-18 13:12:00[投稿者] にゅい
    (個性把握テスト後。3章あたりに入れる予定でした)

    夕食後、誰も観ていないテレビ番組が楽しそうにトークを続けている。

    それを子守唄に、#NAME1#がソファで微睡んでいると、その顔に影がかかった。

    「…"ここで寝るな?"」

    #NAME1#が見上げて笑うと、影の正体──相澤は、にこりともせず答えた。

    「そうだな。寝るなら寝室へ行け…と言いたいところだが」

    今日ばかりは許す、と。
    そう続けた。
    その意図を掴んだ#NAME1#は、楽しそうに笑う。

    「ああ、やっぱり私の判断は正しかったのね」
    「お前は存在自体が国家機密みたいなもんだからな…本人に自覚があって良かったよ」

    2人が話しているのは、数時間前に行った個性把握テストの件についてだった。

    ──「適当に投げろ」。

    相澤の指示だった。
    この意図を正確に吟味し実行できたのは、長年の付き合いと本人の洞察力あってのものだろう。

    あれは、「適当」──手を抜け、という意味だったのだ。
    相澤は生徒の手前、「除籍処分は生徒の本気を引き出すための嘘」と言っていたが、あれこそが嘘。

    そして、#NAME1#には適当に──そう、個性を使わないでこなせ、と命令したのだった。
    [投稿日] 2018-05-24 18:37:00[投稿者] にゅい
前へ 次へ
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp