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Swear to you...

第7章 Secret Circus


部屋を出て私とセバスチャンの後ろをソーマ様を背負ったアグニさんが歩く。
「あの、セバスチャン殿、ネイラ殿」
後ろから声をかけられ私達は足を止めた。

「昨日はムキになって大声を出してしまい、すみませんでした」
「いえ、とても参考になる興味深いお話でしたよ」

呼び止められ、かけられた言葉は謝罪の言葉だった。
謝罪なんて…あの時アグニさんがああ言って下さらなければ、坊っちゃんの体調は悪化していたことだろう。
「参考だなんてとんでもない!私などよりセバスチャン殿やネイラ殿の方がずっと完璧な執事でいらっしゃいます!」
「だが優しさが足りんな」

「「「え?」」」

アグニさんの謙遜を含んだ言葉に重ねるようにアグニさんの背後から聞こえた声。それはたった一人しか考えられない訳で。
「おっ王子、起きていらっ「寝てる!!今しゃべってるのはアグニだ!!」ええっ?!」

そんな無茶な…と喉まで出かかった言葉を呑み込み、ソーマ様…否、アグニさんの話を聞くことにした。
「お前は私やネイラに比べて全然主人に優しくない」
「優しくない…ですか?」
「そうだ。シエルはまだ子供だ!風邪の時ぐらい一日中ごろごろして親に甘えていい齢だ。だがあいつに親はいない。まあ俺にもいないようなモンだったが。かわりに爺やミーナがめいっぱい甘やかして優しくしてくれた。だから、めいっぱい優しくして甘やかしてやるべきだ。いいな優しくしろ!!」

最後に顔を上げそう告げると脱兎の如くアグニさんの背から逃げて行った。
アグニさんはいつものように小さくなっていくソーマ様の背を歓喜の涙を流しながら手を合わせていたが、隣に立つこの男にはどう響いたのだろう。

いくら考えようとも私には知るよしもなかった。
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