第8章 ヤキモチ
「でも、カコに嫌な思いさせてごめんね。」
モブリットはカコを
包み込むように抱きしめた。
カコはモブリットの胸の中で
首を横に振る。
「私もごめん……。」
「分隊長も気にしてたよ。」
「あとでハンジにも
謝りに行ってくる…。
でも、もう少しこのままがいい。」
「いいよ。」
お互いが
抱きしめる腕に少し力を込めた。
モブリットの香りに包まれながら、
ハンジに謝ることよりも、
エルヴィンやリヴァイに
色々言われることの方が
正直億劫だなぁだなんて考えていた。
モブリットの体温に包まれていると、
数十分前の小さな感情は
どこかへ溶けてしまっていた。