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苦しみの中の幸せ Part4 [銀魂]

第2章  再確認


「最近は物騒だねぇ」
『・・・何の話?』
「真選組参謀の嬢ちゃんなら知ってるだろ。死神の話を」

いつも通っている屋台の親父さんがそう言いだした。
私には思い当たる節があった。

『ああ・・・あれね』
「酔っ払いを狙ってるって話だが・・・。本当かい?」

私が、苦笑するとわかってくれたようだ。

「一般人には話せるわけねぇよな。そりゃそうだ」
『さすがに・・・ね。副長からも口止めされてるし』

コップに入った焼酎を煽り、息をつく。

『それにしても、やっぱり有名なのね』
「そりゃあ、首の皮一枚で繋がってる死体なんざ有名にもなるだろう。にしてもどこのどいつかねぇ。酔っ払いを狙うなんざ、性質のワリィ」

一人納得している親父さんを見ながら、考え事にふけっていた。

路地裏に転がっていた死体。それは酔っ払いがただつぶれているようにも見えた。

だが、それはまさに奇妙なものだったのだ。
体には傷一つないが、首だけがバッサリと刈り取られている。

首の皮一枚だけを残して・・・

ある程度はわかっていた。

誰がこの事件の犯人で、狙われているのがただの酔っ払いではないことも。

『私はいろんな人に恨まれてるからね。死神さんが狙ってくるかも・・・』

笑いながらそう言えば、親父さんは私の空になったコップに焼酎を注ごうとする。
それを制しながら、立った。

『そろそろ帰ろうかな』
「・・・気をつけなよ」
『大丈夫ですよ・・・そうだ、これから飲みに来た人にもちゃんと注意しといてくださいよ?』

特に・・・

『白髪のアホには・・・ね?』
「?」

屋台ののれんをくぐり、夜の街を歩いていく。

明るいネオン街にはこの隊服は釣り合わない。

真っ黒で・・・何者にも染まらない。

本当に真選組をかたどっているようで・・・
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