第1章 戦乱を駆け抜ける刹鬼
そして今
全てが謎に包まれていた者・・・女が姿を現した
その字とは・・・相反した姿で
『舞鬼神』名を藤間瑠維という
攘夷志士だった彼女は
幕府に仕える武装警察『真選組』参謀となっていた
正反対の役柄
そして彼女を見ただけでは『舞鬼神』だということを笑う
華奢な体躯
端正な顔立ち
容姿は完璧なまでに整っており、『人』ということを忘れてしまうほど
だが、それは見た目の話
真選組参謀藤間瑠維は
攘夷浪士の中ではこう恐れられている
「一人で出会った場合、決して対峙するべからず
百人いようが
千人いようが
油断することは許されない
あの女は
それでも我々を血肉の塊へと変える」
と。
それが舞鬼神
いや・・・
それが藤間瑠維という女
誰よりも強く
誰よりも美しく
誰よりも気高く
生きる者