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苦しみの中の幸せ Part4 [銀魂]

第3章 時には昔を思い出そうか


土「おい、瑠維」

総悟に辻斬りの件を頼んでから数日後、トシに声をかけられた。

『なんですか、副長』

仕事モード全開で、私は返事をする。
当たり前だ。今は、朝の会議が終わってすぐ。会議室には、まだ隊士達が大勢残っている。
トシに手招きをされ、会議室から出て行くトシの背を追う。

ある程度会議室から離れると、トシは立ち止まり、タバコに火をつけた。
大きく煙を吸い込み、吐き出す。

土「総悟に何か探らせてるらしいな」

総悟に、口止めはしていないが、なるべくなら耳に入って欲しくはなかった。
こんなことになるなら、注意の一つや二つしておくべきだったと後悔する。

『ええ・・・まあ』
土「どうして山崎に頼まねぇんだ?』

・・・トシ、説教モードに入る。

『監察に、わざわざ動いてもらうほどのことではありませんし、一番、総悟に向いていると思ったからです』
土「ほぉ?大したことじゃねぇから、副長の俺や近藤さんに、相談の一つもよこさなかったってことか」

怒ってるよ、怒ってるよ。怖い怖い!!

『・・・申し訳ありません』
土「ったく・・・お前ぇはいつもそうだろうが、こっちの身にもなってみろ」

わけがわからなくて、首を傾げる。

土「いつもお前ぇは、誰にも相談なしに話を進める。何のために俺らがいると思ってんだ」

それに・・・とトシは言葉を続ける。

土「心配する程やわじゃねぇことは知ってるが・・・お前は女だ」
『っ!?』

私の頬にトシは手を置く。ビクリと体が反応し、一気に顔に血が集まるのを感じた。

土「どんなに強くても女だ。お前はそこらへんが分かってねぇ」
『わ、わかってます///相手が女だって思って、油断するから・・・」
土「薬嗅がされて、気絶させられたらどうすんだ?そのままだと、大人しく犯されるぞ」
『そんなヘマしません!』

こんどは、頬から頭に血が上る。
自分の剣の腕には自信がある。もちろん、普通の組手でも、トシにも総悟にも、近藤さんにも負けたことがない。

『普段、隙を見せることが少ない私が、背後に立たれて気付かないはずがないでしょう!?仮に、部屋に充満していたとしても、匂いで気づきます』

どんなに無臭であっても、私の鼻には太刀打ちできないはずだ。天人となってからというもの、鼻が良すぎて困るぐらいなのに。

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