第2章 1人は……ダメ……
─稟─
私は、無我夢中で走り続け、いつの間にかあの神社の前にいた。神社は、かなり古い建物。
かなり、朽ち果てていたが普通の村の家よりは、頑丈に出来ていた為か、其処までひどくはなかった。
「…………壊れかけてる……。」
私は、ポツリと呟いた。賽銭箱の先には、扉が僅かに開いていた。入りたいけど、入ってはいけないような雰囲気が出ていた。
暫く、神社の周りをフラフラと歩いていると、後ろから蓮の声が聞こえ、振り返る。僅かに、私の肩は震えていた。
蓮は、面倒くさそうに私の所まで、歩いてきて神社を見る。
「ほら、優稀達の所まで、戻るぞ。たくぅ、誰のお陰で迷惑をかけてると思ってるんだよ……。………あんま、此処には居たくねぇんだよ。」
蓮の台詞に、私は疑問を持つ。まるで、此処の村を知っているように……。だけど、蓮の瞳を見たら、質問が出来なかった。
蓮の瞳には、苦しげに悲しそうに写していた。私は、ワザとそれに気づかないフリをして、歩き出す。
蓮は、少々驚いた表情をするが、すぐにいつもの表情に戻る。
「おい!人の話を聞いていたのか!?何処に、行くつもりだよ!」
「もう少し……ね?お願い!」
私は、蓮に向かって手を合わせて、お願いをすると、蓮は深く溜息をして…知らねぇよ。と言って、それ以上の事は言わなかった。
ということは、OKという事になる。私は、周りを見ながら、ゆっくりと足を動かす。蓮は、黙って私の後に付いて来る。