第2章 プロローグ
『とうさん!』
『なんだい、みか?』
『………怖いよぅ…』
『何がかい?』
『みんなにはみえてないけど、みえるの、あたしには……』
『何が見えたんだい?』
とうさんが優しく笑いかけてくれた。
『まっしろいかおしてむねにおっきいあながあいてるやつ』
とうさんは少しの間考え込んでいた。…………………そして、『みか、それは虚(ホロウ)だよ。虚を見ても、見えてる事がばれちゃいけないよ。』
『なんで??』
『虚は自分の事が見えてる人を襲って食べてしまうんだ。』
『えっ……。』
『それはそうと、父さん明日またお仕事があるんだ。』
『また、ソウルソサエティ?』とうさんが死神なのは、知ってた。
『そうだよ』
『しにがみのたいちょうさんのおしごと、がんばってね!』
『ああ、じゃあ行ってくるよ。行こうか、ギン』
『いってらっしゃい』
『とうさん、ギンさん』
ふすまがどこからともなく出てきて、たくさんの黒いちょうちょとともに、とうさんもギンさんも、いなくなってしまった。