第5章 神が与えたもの
「え、友達いなかったってこと?」
まさかと思いつつも問いかけると、
「………うん。」
エマは自嘲気味に顔を伏せる。
「……どうも私は変らしいんだよ。
だから、他人とは上手くやっていけないって。
友達を作るのは難しいって。
色んな人から言われてて。」
……なんだ、その無責任な“色んな人”は。
少しの怒りが込み上げてきた。
確かにエマは素直すぎるし、
感情を全く隠せないし、
かと思えば人の感情は容易く読み取るし
今までに出会ったことのないタイプではある。
だけど、それが変だとも、
付き合い難いと思ったこともない。
「そんなことないよ!
現に私と上手くやってるじゃん!」
思わず声を張ってしまい、
少し恥ずかしくなるが
「……ありがとう。」
と、少し頬を紅潮させるエマを見て、
自然と頬が緩んだ。