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SAOGs

第7章 第1層~第10層 その6 "Once More"


箱のベランダ―前からはボス、後ろには崖
先に進んだ二人を背に、男二人が武器を取る

「お前は行かないのか?」

片方―両手剣を持った男はもう片方―シンジに問うた
その問答自体に非常さは感じられず、まるでいつものノリであるかのようであった

「行かした手前逃げられっかよ」

同じようにシンジも答える
後輩、それも女子を先に行かせたのだ
彼としては、そこにすぐに着いていくというのは自分で先に行くよう促した手前、格好がつかないと思うのだ
故にこの場に残る―一発逆転の策の為に

このシンジの回答に両手剣使いの男は軽く笑う
まるで自分も大体同じだと言うように

「その気概、気に入った」

そうして彼はシンジを一瞥した後、もう一度ボスへ向き直し口を開く

「ジンだ。ここでの名前も、お前の様な奴ならば覚えておかれるのも悪くない」

両手剣使いの男―ジンのこの問答に今度はシンジが軽く笑う番であった
なるほどその理屈、自分も賛成だと言うように

「お前そういう事言うなら、俺のも覚えとけよ…シンジだ」

ボスを目の前にこの会話、しかも残り時間は30秒程
余裕を持ち過ぎだと言われそうな雰囲気だが、それが原因で負けるなど彼等には不思議と考えられなかった

「……残りの時間、長いぞ」

「上等」

むしろ勝つ気だけを今は求め、捉え、離さぬ為に奴を―ボスを落とす
そうして彼等は戦いに入るのだ
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