• テキストサイズ

SAOGs

第6章 第1層~第10層 その5 "天才"


私がビルに入った直後、ビルが大きく揺れ私を転ばせた
幸い瓦礫は落ちてこなかったが、瓦礫等よりもエリーが不安だった

あの時の目…それは何かを決めた目だった
私はそんな目をまだ見た事がなくって、驚くばかりしか無かった
何故かそれが悔やまれる―じゃあどうすればなんて分からない
分からないけど…今エリーに届かないと、もう届かなくなってしまう気がしてしまって…それが私を駆り立てているようだった

脚力ブーストを使って階段を昇った先―炎に包まれた階層―

「エリー!!」

嫌な予感とかしないでくれ、と願い部屋を見渡すが姿が見えない
不安は更に加速し、部屋の内部を捜索するまで私を駆り立てた

姿が無い…姿が無い…

(まさか…)

最悪の事態が頭に浮かびそうになる瞬間―近くでまたあの光
目を眩ませる程の閃光は私の所に来た訳では無かった
ビルの外を通った光―という事は誰かが?
疑問を頭に浮かべている間に更に光
一定間隔で撃たれている…があの撃ち方…当たっていない?
打ち出される光がゲーセン等で躍起になったプレイヤーが連射するそれに見えたのである

そしてそこにもう一つ、記憶が浮かぶ
第三層ボス戦の際、やっていたじゃないか―ストライクパイルに飛ばされても、チャクラムを使って空中を次々と移動していたエリーを、私は覚えている

つまり…あれはエリー?
エリーが一人でボスを圧倒している、という事?
それ自体は凄まじい事態だ
だが、それで良いのだろうか?
私が感じた"届く届かない"という感覚…それが私に疑問を抱かせる

(…分からない)

分からないけど、何かする気があるなら…エリーに届かないといけない

そう思って駆け出す
行き先は分からないがボスに攻撃出来る位置にいる筈だ
そう思い、今度は階段を駆け降りると途中で部長と遭遇した

「いたか?」

問いに首を横に振って答える
それに部長は軽く頭を押さえながら続けた

「どうするんだ?」

「エリーを探します」

即答した答え、部長も同じだったようだ

「俺達も全力で探す。シンジや皆も今頃、負傷者の退避を終わらせたろうから、皆で探そう…一人で行ったバカに追い付かないとな」

ボス戦の最中にやるべきではないかもしれない
しかし、私達は届かなくてはならない
それだけは確信を持っていた
/ 739ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp