第36章 人事を尽くして天命を待つ。
緑間「でも、彼女は戻ってきた。俺の目の前に…。運命だって…勝手に思ってしまっていたのだよ。」
そう言って緑間くんはふっと笑った。
緑間「だから…ずっと…人事を尽くして天命を待ってみたのだよ。でも、待っているだけじゃどうやらダメだったようなのだよ。」
るり「…?」
緑間「神谷。お前の事がずっと好きだった。」
緑間くんは私をじっと見つめた。
るり「…。」
緑間「もちろん、もう赤司に負けてしまったのだから…お前の事は諦める…。でも…」
るり「…?」
緑間「頼むから、困った事があったら…すぐに言ってほしいのだよ。お前はいつだって…何でも一人で抱え込む。それぐらいは…いいだろ?」
そう言って緑間くんは私の頭を優しく撫でた。
るり「緑間くん…。」
視界が霞み、
暖かい何かが頬を伝い落ちる。
緑間「っな!?な、何で泣くのだよ!?」
るり「緑間くんはいつだって優しくて…私を助けてくれた…気持ちにずっと気付けなくて…ごめんなさい…。」
私は何故だか涙が止まらなかった。
緑間「…神谷。」
るり「私は…緑間くんの事が大好きだった。これが恋愛感情なのかはわからない…でも、今でも大好き…。」
緑間「…っ!!!」
緑間くんは私を抱きしめた。
ユニフォームに染み付いた汗のにおいと
暖かい体温が私を包み込む。