第27章 WC開幕。
黄瀬「るりっち!」
黄瀬くんが心配そうに私達を追いかけようとしてきた。
赤司「涼太。お前は呼んでいない。」
黄瀬「でも…」
黄瀬くんは尚も食い下がらず心配そうな顔をしていた。
青峰「おい、黄瀬ぇ。勝手な事すんな。戻れ。」
緑間「そうなのだよ。さっさとこっちに来るのだよ。」
黄瀬「でも!」
赤司「涼太?僕の言う事が聞けないのか?」
赤司くんはいつもの有無を言わせぬあの冷たいまなざしで黄瀬くんをにらみつけた。
るり「黄瀬くん大丈夫だよ。ありがとう。」
私はそう言って再び赤司くんと歩きはじめた。
そうして、私と赤司くんは無言のまま
人気の少ない裏手の駐車場の方までやってきた。
その沈黙が怖くて怖くて
たまらなかった。
駐車場に着くと赤司くんはこちらを真っ直ぐに見つめた。
赤司「こうやって二人っきりで話すのは本当に久しぶりだね。」
るり「そうだね。」
赤司「るりがまたバスケのマネージャーをはじめたと敦に聞いた時は嬉しかったよ。僕が見つけ出した才能を埋もれさせてしまうのは惜しいと思っていたからね。」
るり「うん。」
赤司「髪。」
赤司くんは私の髪を触った。
るり「・・・?」
赤司「短いのも似合う。もう伸ばさないのかい?」
その問いかけに
私は無言で頷いた。
赤司「そうか。」
赤司くんは私の髪を撫でた。