第23章 季節外れの蝉
先ほどの蝉はまだミンミンと大きな声で鳴いていた。
青峰「おっしゃ、捕まえるぞぉ…」
青峰くんは静かに電信柱に近づき、静かに蝉の後ろに網を構えた。
"スポッ"
"ジリリリリリ"
網をかぶせると蝉は大慌てで鳴きだした、
そして、網の中でバタバタともがいていた。
でも、青峰くんはそれを上手に採り、
虫かごに放り込んだ。
るり「おぉ!お見事!」
私は小さく拍手をした。
青峰「っは!俺を誰だと思ってんだよ!」
青峰くんはフンっと鼻息を鳴らしながらドヤ顔をしていた。
蝉は虫かごの中が怖いのか
"ジリリリ"とけたたましい鳴き声を上げながら
飛び回っていた。
るり「ちょっと狭いけど、仲間が見つかるまで我慢してね。」
青峰「よし、早く見つけてやるか…どこに居るんだろうな。こいつの仲間」
るり「えぇ!?ソコ無計画だったの!?」
青峰「あ?蝉の居る場所なんて知るかよっタコ!」
るり「さっきからタコタコ五月蝿いなぁ!…公園行ってみる?木とか生えてるし居るかも!」
青峰「あぁ、そうだな。行ってみるか。」
そうして私と青峰くんと蝉は公園へと向かった。