第17章 誠凛VS霧崎第一
るり「…。」
なんとなくだが、何もされない気がしていた。
何かやらかしてしまったら、
今後試合に出る事が禁止されてしまうはず。
そんなことをこの人がするわけがない。
そんな事を考えながら黙りこんでいると
花宮さんは不機嫌そうに私を睨みつけた。
花宮「おい。お前今から何されるかわかんないくらいバカなのか?」
るり「…え?」
花宮「いや、もっと嫌がったり抵抗したりしろよ。カーディガンのボタン全部はずれちまったじゃねぇか。」
やっぱり、この人は何もしない。
誠凛の誰かが私を助けに来て、逆上して殴りかかってくるのを待っているのだ。
でも、誰も現れない上に私が抵抗しない。
非常にイライラしているようだった。
花宮「…ったく、誠凛の奴はどいつもこいつもムカつくなぁ!?」
"ガンっ"
花宮は私の後ろのロッカーを強く殴りつけた。
さすがに少し驚いて小さく悲鳴をあげた。
そして、腕を強く押さえつけられた。
花宮「やっぱムカつくから作戦変更。やるぞ。」
原「え?まじっすか!?やったぁ!」
そう言ってニヤニヤしながら全員が私に近づいてきた。
一気に血の気が引いた。
その時、ドアが勢いよく開いた。
全員がドアの方を見た。