公爵様の番ꕤ︎︎メイドは甘い香りに惹かれ落ちるꕤ︎︎
第2章 現実を受け止められません!
目を細めて優しく笑みを浮かべるダンテ・ミラ・エスポワール公爵は騎士として名高く有名だ。
そんな人物がミラベルの番だと言う声に、ミラベルは非現実的な夢を見ているようで···。
(そう、これは夢よ!夢なんだわ!いくらいいお給金が出るからと言って、欲張ってしまった私の夢なのだわ。そうでなければ、こんなに絵に書いたような素敵な殿方が、貧乏伯爵家の娘なんかにお声掛けをするはずないもの)
ポカーン、としていたミラベルは自分の頬をパチン!と両手で叩いた。
(痛い!けれどこれは夢で、私はお仕事中!)
「!?ご令嬢、一体何を···」
「大変お見苦しい所をお見せしてしまい、申し訳ございません、公爵閣下(だと思う···)私などにお声掛けしてくださり、至極光栄に存じますが、私はミラベル・ハーコート、ハーコート伯爵家が娘にございますれば、身分やお家柄につきましても、公爵閣下のお隣に立つ事はとてもではありませんが、お出来かね致しかねます···かと!!」
(ごめんなさい!!)
ミラベルは些か天パった状態で頭を直角に思い切り下げた。
淑女らしからぬ姿勢だとは思いつつも、これは何かの間違いだ、としか思えなかった。
「お、おい?どこへ···」
そのまま逃げるように舞踏会の会場をパタパタと逃走した。
焦るような公爵閣下の声。
後ろ髪引かれるような気もしたが、今はミラベルにとっては一大事なのだ。