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俳優で幼馴染で初恋で。

第7章 幼馴染の元へ side蓮


まさかこんな激しい雷雨になるなんて。詩織は大丈夫かな。詩織は雷雨に過剰反応してしまうから。
今日は、詩織から約束のクッキーをもらうため、俺が5時公演集合にしていた。が、俺の収録が長引いて、雷雨になるという重ね重ねの不運。
できるだけ急がないと。俺は駅から公園まで走った。1秒でも早く、詩織の元へ行けるように。
公園についたものの、詩織の姿は見当たらなかった。良かった、どこかで雨宿りしてるのだろう。公園を出ようとすると、自転車置き場に震えている人影が…。もしかして。
『詩織!?』
名前を呼ぶと、その正体はビクッと体を震わせ、こちらを向いた。
「詩織:蓮…?」
詩織は、全身を雨に打たれ、びしょびしょになっていた。顔も青ざめている。
『大丈夫…じゃないよね。』
俺は自分が羽織っていたカーディガンを詩織にかけてあげる。…少しでも足しになればいいけど。
「詩織:あり、がとう。」
—ピカッ—
—ゴロゴロ—
「詩織:きゃっ」
遠くではまだ雷が鳴っている。その度に、詩織が怯える。その姿を見ると、俺は胸を締め付けられる。
『大丈夫、大丈夫。』
詩織の体を包み、あの日と同じように、声をかける。すると、少し詩織の状態が落ち着いてきた。
…冷静に考えて、これ、やばいな。小学校の時とは訳が違う。
成長した身体。より可愛くなった顔。あの日よりも伸びた髪。どれもが近くて、さっきとは別の意味で胸が締め付けられる。あの日は同じくらいだった体の大きさも、今は俺の方が大きくて、詩織の身体をすっぽりと隠してしまう。雨の中ながらも、詩織からは甘いいい匂いが漂ってくる。詩織の香り。
たぶん、俺の心臓は今激しく脈打ってる。…詩織には悟られないようにしなくちゃな。
「詩織:ごめ、んね。ありがとう。…6年も経ってるのにまだこんななんて、全然ダメだね、私。なんも成長してない。」
『そんなこと…』
ないと言い切れない自分が憎い。そんなことない、と言っても詩織をまた悲しませてしまうから。
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