Spoofing HAL -Akito ver.0.8
第4章 #H01 _Character_Akito
遥斗は、コーヒーをドリッパーにセットする手を止め、梓に尋ねた。
「珈琲、俺今はミルクを入れたい気分だけどお前はどうする?」
「珍しい。……まだアキト続けてる?」
「誰だよ、それ。そんな奴、ここにいたか?」
その声には、演技も、含みも、濁りもなかった。
梓は一瞬だけ目を見開き、
それから満足げに、いつもの退屈そうな笑みを浮かべて
ソファの背もたれに体を預けた。
「そう、彼は私の頭に引っ越したから。
はじめから、現実にはいない。
遥斗、私はいつも通り。ブラックがいい」
[Status: Process "Akito" Terminated.]
[Returning to Normal Operation... 100%]