第2章 大好きな人
ライブが終わってから急いで客席に向かった。そしたら、客席の入口に誰かが立ってた。どこからどう見てもけんだった。
「ライブよかったじゃん。いつの間にあんなうまくなったの?」
けんが褒めてくれた。嬉しかったけど、それ以上にここに来てくれたことが嬉しすぎて私は泣いてた。
「どうして、来てくれたの?しばらくは忙しいって、言ってたのに・・・。」
「どうしても今日だけは来たくて、いつもより仕事早めに終わらせて来ちゃった。だってゆきが歌ってるとこ見たかったし。」
ずるいよ。けんはいつも私にサプライズとかしてくれる。私だってお返ししたいのに、なかなかできない。そこで、私はある作戦に出た。