• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第19章 【第十八話】偽物じゃなかった愛~クロウリー編③


エリアーデは、そんな彼を見つめていた。

その紅い瞳が、苦しそうに震える。

そして。

ふっと、笑った。

「あーあ」

その声音から、先ほどまでの可憐さが消えていく。

「ぶち壊しよ、もう」

次の瞬間、彼女の身体が黒い靄に包まれた。

ぐしゃり、と肉が軋む。

白い肌が裂け、内側から紫色の装甲が露出していく。

花弁模様の刻まれた、禍々しい外殻。

美しかった女の輪郭は崩れ落ち、そこに現れたのは、悪夢のような異形のAKUMAだった。

「っ……!」

クロウリーの顔から、血の気が引いていく。

エリアーデ――否、AKUMAは、ゆっくりと宙へ浮かび上がった。

「せっかく、ずっと騙せてたのに」

その身体の奥で、囚われた魂が苦しげに震えている。

「人間って、本当に面倒」

ラビが鉄槌を構える。

アレンも左腕を構え直した。

私は、苦しそうにエリアーデを見上げるクロウリーを見る。

その瞳は、壊れそうなほどの絶望に染まっていた。

「……騙すつもりだったのよ」

エリアーデの声が、冷たく書庫へ落ちる。

次の瞬間だった。

彼女の身体が、一気にクロウリーへ迫った。

鋭い爪が、月光を裂く。

「上手く飼い慣らして利用してやるつもりだったけど、もういいわ!!」

轟音。

クロウリーの身体が吹き飛び、壁へ叩き付けられる。

「お前をエクソシストにさせるワケにはいかないんだ!! 殺してやる!!」

狂気じみた叫びが、古城の奥へ響き渡る。
/ 537ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp