第16章 【第十五話】順番待ちの恋
「……アレン、お前なぁ」
呆れたみたいな声。
アレンは少しだけ肩を竦める。
「僕は、無理に割り込むつもりはありませんよ」
穏やかな笑顔。
なのに、全然引く気がない。
「でも、黙っているだけのつもりもありません」
「割り込む……って」
ティファは小さく呟いた。
まるで、二人だけが先に、何かの答えを知っているみたいだった。
その輪郭に触れかけて、ティファは慌てて目を伏せる。
まだ。
名前をつけるには、早すぎた。
ラビが深く顔を覆う。
「……頼むから、今そこで気付くなって……」
低く零れた声。
「え、あ……」
熱が一気に頬へ上る。
アレンが小さく吹き出した。
「だから鈍いって言われるんですよ」
「だ、だって……」
言葉にならない。
二人が同時に黙り込む。
その沈黙が、余計に恥ずかしかった。