第16章 【第十五話】順番待ちの恋
ラビも最初は何も言わなかった。
けれど、数日後。
書庫室で資料を整理していた時だった。
「……ティファ」
低い声に振り向くと、ラビがいた。
ティファは反射的に視線を逸らしそうになった。
「避けんなよ」
その一言で、止まった。
ラビは困ったように小さく笑う。
「いや、まぁ……気まずいのは分かるけどさ」
ティファは言葉に詰まった。
図星だった。
ラビは数秒黙ったあと、ゆっくりこちらへ近付いてくる。
逃げれないほどじゃない。
けれど、近い。
それだけで、胸の奥がまた騒ぎ始める。