第14章 【第十三話】夜明けまで、この手を
意識が、ゆっくり沈んでいく。
その直前。
「……ラビ」
掠れた声で、もう一度だけ名前を呼ぶ。
「ん?」
「……ちゃんと……いるわよね?」
自分でも、どうしてそんな確認をしたのか分からなかった。
けれど、ラビは一瞬だけ目を見開き、それから小さく笑った。
「いるさ」
迷いなく返ってくる。
「どこにも行かねぇよ」
その声を聞いた瞬間、胸の奥へ残っていた冷たさが、少しだけ溶けた気がした。
私は安心したように目を閉じる。
やがて、規則正しい寝息が静かな病室へ溶けていった。