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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第12章 夏休み



夏休み中の雄英高校。

校舎はいつもより静かで、しかしA組の教室だけは別だった。

「特別授業だるすぎ……」

「でも久々の学校ちょい楽しいな!」

上鳴電気や切島鋭児郎が騒いでいる中――

明らかに“生気が薄い二人”がいた。

爆豪勝己。

轟焦凍。

「……クソ」

「……」

干からびている。

出久がその様子を見て、思わず苦笑した。

(いや、わかりやすく落ちてるなぁ……)

爆豪は机に突っ伏し気味。

轟は窓の外を見ているが、集中していない。

上鳴が小声で言う。

「先輩ロスやばすぎだろあれ」

切島も頷く。

「完全に魂抜けてる」

その時だった。

出久が手を打つ。

「そうだ!」

「かっちゃんと轟くん、ちょっとこっち来て」

嫌な予感のまま二人が来る。

出久はスマホを取り出した。

「ビデオ通話しよう」

「「は?」」

爆豪と轟、同時反応。

出久は真顔で続ける。

「このままだと二人とも持たないと思う」

「いや意味わかんねぇ」

爆豪即否定。

だが、出久は止まらない。

「ユカリ先輩に連絡して、少しだけ話せばいいと思うんだ」

その一言で。

空気が変わる。

轟が小さく動く。

「……迷惑じゃないか?」

出久は首を振る。

「ユカリ先輩なら大丈夫だと思うよ。むしろ普通に喜ぶタイプじゃないかな」

爆豪が舌打ちする。

「勝手に決めんな」

でも――

その声は少し弱い。

数秒の沈黙。

そして。

「……やれ」

爆豪が短く言った。

轟も小さく頷く。

「頼む緑谷」

出久はほっとした顔で電話をかける。

コール音。

一秒、二秒。

『もしもし?』

明るい声。

ユカリ。

その瞬間。

爆豪の肩がわずかに動く。

轟の目が少しだけ柔らかくなる。

「ユカリ先輩!」

出久が笑う。

「今ちょっとだけいいですか?」

『うん、大丈夫だよ?』

画面越しに現れるユカリは、いつも通りだった。

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