第5章 first love…?
俺がそう言うと、露伴くんは漸く手を止めた。
「……いきなり、車が突っ込んできて、僕は……彩峰に突き飛ばされて……」
「それで、君は無事だったってわけか」
露伴くんをちらりと見ると、まるでこの世の終わりを見たような表情をしていた。
「とりあえず、あの車の運転手の安否も気になる。今は救急車を呼ぶんだ」
そう諭して、立ち上がろうとすると何を思いついたのか露伴くんがぽつりと呟いた。
「……仗、助……」
仗助?
おい、待てよ。
まさか……
「承太郎さんッ!救急車、呼んでおいて下さいよッ!!」
突然がばっと立ち上がると、彼は元来た道を走って行ってしまった。
まぁ……仗助なら……
露伴くんのしたい事は分かる。
しかし、今仗助がどこにいるかなんて分かりやしねえ。
それなのに、飛び出していくとは……。
「……はぁ……」
やれやれと思いながら、俺は立ち上がると丁度良く近くにあった電話ボックスの扉を開けた。
3時間後。
ぶどうヶ丘総合病院のベッドの上で彩峰くんは漸く目を覚ましたと思ったら、開口一番謝罪の言葉を述べた。
「……えーと……すみませんでした、空条さん……」
彼女は、肋骨が2本折れていたが幸いそれ以外の身体の異常は見つからなかった。
相手の車の運転手もまぁ怪我はしたが命に別状はなかった。
それがよかったのか何なのかは分からないが、大事にならなかっただけマシだろう。
「肋骨はキレイに折れてるから、自然にくっつくのを待てと医者が言っていた」
「ホント……巻き込んでしまって申し訳な……って、あの、空条さん……」
「なんだ」
「えと……露伴先生はどこに……?」
そう訊かれて、返答に迷った。
仗助を探しに行ったんだろうが、一体どこまで行ったのか。
いや、もしかしたらあの2人の事だ。
このクソ忙しい時に口論の一つでもしているのかもしれない。
「も、もしかして露伴先生も怪我したんじゃあ……!」
「いや、君のおかげで傷一つねえ」
「はぁっ……よかった」
そう言って安堵の笑みを見せる彩峰くんにどう言い訳をしようか悩んでいた。
早く仗助を連れてくるなりなんなりしろ……ったく……