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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第4章 感情線の混線



模擬戦ブースのフロア、飯でも食いに行くかと通りかかれば知ってる後ろ姿。数人に囲まれて相手の表情しか見えなかったから、てっきり知り合いかと思いきや。


横顔が見える位置まできて、花衣さんの青くなったそれと、何も知らずに触れたんだろう片手が見えて、どこの誰だか知らねーけどやらかしたことだけは分かった。近づくと、強いだの才能があるだの聞こえてきた声に、おれまで眉根が寄りそうになる。

バーカ、彼女がどれだけこつこつ努力してんのか、なんも知らないくせに何言ってんだコイツら。終息しそうにないやり取りに、いい加減止めに入ると露骨すぎる敵意を剥き出しにされた。


「なんなんすかアンタ、勧誘は禁止されてないはずですけど」
「だからって無理に誘っていいわけでもねーだろ」
「別に無理になんて誘ってないっすよ、普通にお願いしてるだけだし」
「へぇ、普通に、ねぇ。だったらなんでこの人はこんな顔してんだろうな」


明らかに顔色が悪いのは詰め寄られたからじゃない。花衣さんの特殊な副作用のせいだ。
それでも困ったように目尻を下げてこっちを見てくるその表情が、どう見ても乗り気じゃないことぐらい分かれっての。

毎年いるんだよな。
ほんの一部に。

ずば抜けた人間の周りをうろちょろして、隙あらば取り入ろうとする姑息なのが。そう言うヤツらは一から出直してこいって言ってやりたい。人の褌で相撲を取るなっつーんだよ。

引く気などさらさら無いおれに埒があかないと思ったのか、苦虫を噛み潰したような顔で渋々退散してく。それを尻目に、花衣さんの隣へと腰を下ろした。



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