第4章 感情線の混線
「そんな決めらんねーなら、ウチくるか?」
「は?」
どうしたものか。焦る必要もないし、かと言って適当に選んでいいわけでもない。そう頭では理解してるけど、心はなかなか着いてかない。とりあえずは初任務に出てみてから、だよね。
どんな感じかも分からないし、実際経験してみないことには今すぐどうのってあたしの性格じゃ、たぶん決めるのは難しい。
そう纏りかけた思考を、あろうことか目の前で呑気に食べてるこの男がまたぐちゃぐちゃに乱すから、つい間の抜けた声が出てしまった。この人今なに言った?
「酔ってんですか?」
「いやシラフ」
「うそつけ」
「ついてねーよ」
じゃあなんで、そんなとち狂ったような言葉が出るの。あたしの耳が正常ならこの人今ウチ来るか?って言ったよね?それはつまり太刀川隊の一員になるかってことだよね?気でも触れたか血迷ってなければ、さらっとそう言うこと言わないでしょ、バカなの?
「それともからかってるんですか?」
「わりと本気だぞ?」
「お断りします」
「なんで」
なんでって、普通聞く?それもそこそこに真顔で、ホントに分かってないみたいな顔して。
精鋭の中の精鋭。
全戦闘員のトップ。
そんなところに昇格したてのあたしが入るって、小学生がスーパーウルトラ飛び級で大学に進学するのと一緒。生まれたてのよちよちな赤ん坊に、走れって言ってるのと一緒。無謀も甚だしい。