第4章 感情線の混線
「お前さ、」
「なに?」
10本目が転送される。余裕のある笑みを浮かべた望月の表情は、アイツと密に関わってきたからこそ分かるそれで。挑発にも取れるようなその顔を見せる時は、緻密に裏をかいてる時か、勝算がある時。
そんなアイツの、些細な変化も見逃せなくなった俺は、どうやら自分が思ってる以上に親心みたいなもんを擽られてるらしい。
「どうだったんだよ、昨日」
「昨日?」
「アイツ送ってやった時」
「あぁ、……まぁ、普通、かな」
迅からの意味深なメッセージを受信したのは前日。不確かに視えた未来があると。
掘り下げた所で今みたいに曖昧な返事が返ってきて、悶々と燻るぐらいなら深追いは厳禁。何かあればコイツから喋るだろうし、今までだってそうだった。
「普通ってなんだよ、普通って」
「んー、一応想定内?ってこと」
「前にも聞いたが、アイツが危険な目に合う可能性はないんだよな?」
「太刀川さん、どんどん過保護になってくな。大丈夫だよ、それはないから」
好きでなってるんじゃない。関われば関わるほどに愛着が湧くのも確かだが、うわべだけ装ったしっかり者のレッテルが、意外に脆かったのが原因だ。
すぐにテンパるしビビるし、抜けてるところは数知れず。絶対平気なはずがないのに飄々と平気なふりをする。