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かるら怪談

第12章 図書館の本


Aはその話を聞き、もしやと思った。
ー殺される
ー閉じ込められている
ー早く時間がない

ーもうダメだ

Aは図書館に行き、例のミステリの四巻を開いた。
それにも線が引かれており、それには

ーた・す・け・て

とあった。

Aは、本の裏表紙についている貸出の日付を見た。
Aが借りる前の日付は
一巻は「X年6月23日」
二巻は「X年7月4日」
だった。三巻は借りていないので、最後の日付を見る。
三巻は「X年9月10日」
だった。

Aは二学期になってからこの本を読み始めていた。
三巻はAが借りようとした直前に返されていた。
四巻の最後の貸出日は「X年9月28日」だった。

Y生が亡くなったのは10月3日だった・・・。
ここまで見て、このメッセージは間違いなくYのものだとAは思っていた。

このときに気がついて何らかの手を打っていれば、もしかしたらY生は死ななかったかもしれない・・・。
そう思って、胸が苦しくなった。

しかし、Aが最も恐怖を感じたのは、念のためと思って借り出してみた五巻に、その文字を発見したときだった。
直前の貸出は「10月5日」
途中折れているところがあり、
見ると

『よ・んだ・・・のに』

ー読んだのに・・・
それとも
ー呼んだのに・・・

Aは叫び出しそうになるのを必死に堪えた。そして、その本を閉じると、以降、図書館に行くのをやめてしまった。

今まで、誰にもこの話をしなかったという。
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