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たまのケージ【ヒロアカ】

第19章 笑わない人が笑った時ってキュンとする(爆豪勝己)


「なぁ爆豪!明日休み?」


ある日の夜の事。


勝己は上鳴電気に誘われて一緒に食事をした。

「聞いてる?ねぇ爆豪!や・す・み?」

食事を終えて帰ろうとした矢先に、まだ帰りたくないのか上鳴に絡まれている。


それが、現状だ。


「爆豪!ちょ、無視とか悲しくなるからやめて!」
「っせぇな!なんだっつうんだよ」

仕方ないので話だけは聞いてやろうと思った勝己は、足を止めて自分の肩に縋りつく彼を一瞥した。

するとどうだろう。
今の今まで情けない表情を浮かべていた上鳴の顔が、パッと明るくなる。

単純な事この上ない。

コイツはマジでバカだと思ってしまった勝己の心の内を知る由もなく、上鳴が「だからさぁ」と話し始める。

「明日、休みかって聞いてんの!休み?」
「……だったら、なんだよ」
「あのさぁ……サイドキックのスカウトに、ついてきて欲しいんだけど」
「……あ?」

 サイドキックの、スカウト?

それは、どういう事なのか。

勝己は僅かに首を捻った。

「何言ってんだテメェは。サイドキック欲しいんなら求人でも出しとけや」
「違うって!来れば分かる!来れば!」

そう言った上鳴に、思い切り腕を引っ張られる。

「ンだよ!来ればもなにも分かりたくもねぇわ!」
「そんな事言わないで!友達だろ!?」

 なんで俺が、こんなアホ面のサイドキックの?スカウト?に一緒に行くんだよ。

 そもそもどこ行くんだよ。

そう思った勝己だったが、気付けば上鳴に引きずられ始めていて、仕方なく彼についていく事にした。





辿り着いたのは、ちょっとオシャレなカジュアルバー。

今日の格好を自分で見て、オーセンティックバーじゃなくてよかったと少し安心した。

しかしだ。


勝己は、正直なところあまりお酒を飲んだ事がなかった。


それは、ヒーローとしていつ何時でも現場に駆け付けたいという思いから、仕事が終わった後もそういったものを口にしなかったからだ。

「俺に、酒呑めっつうんか」
「いや、いい!ノンアルでもいいから!一緒にいて欲しいんだって爆豪!」

そう懇願しながら、勝己を見上げる上鳴。

男にそんな事をされても気持ち悪いだけだが、よっぽど彼は勝己に一緒にいて欲しいのだろう。



勝己は、上鳴のそのなんとも言えない根性に根負けした。



「……奢れよ。あと、1時間だけだ」
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