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たまのケージ【ヒロアカ】

第8章 恋人ごっこ(ホークス)


「ご愁傷様だなァ、NO.2」

敵連合のアジトへ戻ると、案の定俺を見つけた荼毘がそう言ってきた。

「……ほっといて、貰えます?」
「人の忠告、聞かねぇからだ。寂しいなァ?これからよ」
「……そうスね」

何故か、本音がポロっと出てしまっていた。

「他人の言葉なんざ、信じるからそうなんだよ。馬鹿すぎやしねぇか?」
 
 確かに……馬鹿かもしんない。
 
 簡単に絆されて、信じて。

「寂しいんで、可愛い子いたら紹介してくださいよ」

冗談で言ったのに、昨日と同じように舌打ちをされる。

「なんでそこまでてめぇの面倒、見なきゃなんねぇんだよ」
「……冗談すよ」

大体、メンタルぼろぼろだからって敵に情けをかけてもらおうなんて微塵も思ってない。

「コーヒー買って来よ」

荼毘と話していると、うっかり繭莉を思い出しそうになるから、逃げる事にした。





街に出ると、否応なしに絶望的な現実を叩きつけられる。

何故か、手なんか繋いだりして楽しそうに歩くカップルばかり目につく。
 
今日の今頃、もしかしたら繭莉とこいつ等の仲間入りが出来るんじゃないかと期待していたあの時の自分が馬鹿らしくなった。

 
もう、いい加減一旦忘れたいのに、繭莉が頭にこびりついて離れない。


 ……どうしたもんかね……

そう思いながら暫く歩いていると、目の前の曲がり角から人が飛び出してきた。

「きゃ!」

咄嗟に反応できずにぶつかってしまった。

声的に女の子だろうか、その子は地面に尻もちをついた。

「すんません、大丈夫?」


 
手を差し伸べた所で、漸く気付いた。



「繭莉」



どういう偶然か、そこに居たのは繭莉だった。



そこで、一気に思い出した。


 
 ああ、そういえば……
 
 初めて出会った時も、曲がり角でぶつかったんだった。

 そんで、繭莉の持ってた飲み物、ぶっかけられたんだっけ。

 ……なんで、忘れてたんだろ……

「……ホークス、なんでいるの?」
「君の方こそ、学校は?」
「今日、午前中で終わりで……」
「そっか、立てる?」

腕を掴んで立たせると、繭莉は俺の腕を振り払って背を向けた。

「ありがと……じゃあ」

「待って」

気付いた時には、彼女の手を掴んでいた。
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