第2章 おうちデート、ただし条件付き
「二時間しかいられないの!?」
制限時間を告げられ、カナタは驚愕の表情を浮かべたまま固まった。
「うん、本来悪魔は民間人との不必要な接触すら禁止されてるから、これでも随分無理言ったらしいよ」
目の前の恋人は、カナタの手料理を食べながら淡々と話す。
“言ったらしい”という言い方から、カナタはすぐに察した。天使の悪魔のバディである「早川くん」が、今日のために動いてくれたのだろうと。
「じゃあごはん食べてバイバイってことね」
やや乱暴なトーンで返したのは、ささやかな意思表示だった。
カナタはこの日のために、映画を選んだり、お菓子を用意していた。事情があり仕方ないとはいえ、楽しみにしていた分、納得がいかない。
カナタがあからさまに不満げな顔つきを見せると、天使の悪魔はボソリと言った。
「キミってさ、変わってるよね」
「なにが?」
「悪魔を好きになるなんて」
「そっちこそ、悪魔なのに人間と付き合うとか変わってるよ」
基本、悪魔は本能的に人間を嫌っているというし、人間は人間で悪魔に恐怖を抱いている。
互いにその矛盾をつつき合ってはいるものの、なぜ二人がこうしているのかといえば、惹かれあってしまったからに他ならない。
「悪魔なうえに、触れれば寿命が減る。普通は僕に近寄らないと思うけど」
「あたしは触られても平気だよ?」
「だから言ったよね?キミの寿命なんか欲しくないって」
互いにハンバーグを口に運びながら睨み合う。そして飲み込んでから、また会話を再開した。
「あたしは構わないよ。武器になっても」
「僕は嫌だって言ってるだろ」
と言って、無愛想な表情で天使の悪魔はまたハンバーグを一口食べる。その様子を見ながらカナタは眉をしかめた。