• テキストサイズ

鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第115章 君は誰…冨岡義勇【R微】


ゆきは、義勇から涙を隠したくて、その場をそっと離れた。

色鮮やかな花が咲き誇る場所へ移動し、溢れ出る涙を袖で拭いながら、一人静かに花を摘む…。

どうしてだろう…今日は、無性に無一郎くんが恋しい…

胸を突く切なさに押し潰されそうになりながら、ゆきはただひたすらに手を動かしていた。

ーー

その頃、無一郎は一人で街外れの川辺を訪れていた。

普段なら美月と行動することが多いが、最近見つけた綺麗な花畑で、今日は静かに一人になりたかったのだ。

だが、先客の姿が見えた。邪魔をしては悪いと向きを変え、立ち去ろうとしたその時…。

爽やかな風とともに、甘い香りが鼻をかすめた。

酷く懐かしく、そして愛おしい香り…。

思わず振り返ると、花を摘む人の姿が目に入る。

なぜだろう。まるで見えない糸で引き寄せられるような感覚に囚われ、足が勝手にその人の元へと歩み寄っていた。

近づくほどに胸が高鳴り、ぎゅっと締め付けられるように苦しい。

何…?この感覚は…



カサリと足音が近づく気配に、ゆきはハッとして慌てて涙を拭おうとした。

義勇さんに泣いている姿を見られるわけにはいかない…

だが、後ろからすっと重なった影は、どこか違っていた。

さらさらと風にそよぐ、長い髪の影……。

ゆきは息を呑み、胸の鼓動を激しく打ち鳴らしながら、ゆっくりと振り返った。


澄んだ空のような瞳…長く揺れる綺麗な髪…私がずっと求めていた人…

「む、無一郎くん……?」

会いたかった相手が、目の前に居る…。ゆきの目からポロポロと熱い涙が溢れだす…。

じっと不思議そうな表情で、無一郎はゆきを見つめ続ける。

「会いたかった…無一郎くん…」

ゆきが、無一郎の側に歩み寄ろうとしたその時…残酷な言葉が、ゆきの心を鋭く刺した。

まるで…とどめの一撃のように…冷たく…深く…心に突き刺さる…









       「君は誰…?」



                終 
                   
/ 1156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp