• テキストサイズ

夢のあとさき、恋のまにまに

第23章 『酔わせ×理性崩壊』藤堂平助編*


その日、屯所は珍しく穏やかだった。

夕飯のあとにぽつぽつと隊士たちが部屋へと引いていく頃、わたしは一計を案じていた。

(この前、平助くんに酔ってるところ見られちゃったし……今度は、こっちが酔わせてみよう)


甘口の梅酒を、湯呑みに一杯ずつ注いで。
ふらっと平助くんの部屋を訪ねた。


「平助くーん、ちょっとだけ、お邪魔してもいい?」

「ももかちゃん、急にどうしたの?」

「梅酒持ってきたの。少しだけ、一緒に飲も?」

首を傾げて笑うわたしに、平助くんはきょとんとしながらも、「うん、いいよ」と頷いた。


「じゃ、乾杯っ」

湯呑みに注いだ梅酒を、無邪気に差し出してみせる。

「……ん、美味しいよ。平助くん、甘いの好きでしょ?」

「ん……まあ、ちょっとだけなら……」


甘い香りに誘われて、彼はくいっと一杯、喉を鳴らした。


ふわっと頬を赤くした平助くんの隣に腰を下ろして、さらに肩にもたれて甘えてみる。

「平助くん、ちょっと顔赤い。もしかして、酔っちゃった?」

「……ももかちゃんのせいだよ。そんな顔で笑われたら、誰でも酔うっつーの」


そう言って目線を外した彼を見て……わたしは身体の奥がきゅっと熱を帯びるのを感じた。


「……ねえ、平助くんって……

酔ってる時、どんなふうに女の子、抱くの?」


「はっ……?」


「いっそ、今夜……試してみる?」

/ 126ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp