第59章 『薬湯×興奮』藤堂平助編＊＊

「我慢、できない……ほんとに、だめ」

わたしを見下ろす平助くんの目はこの上なく熱っぽく、限界を伝えている。

逃げる理由なんて、どこにもなかった。


「我慢……しなくていいよ」

「……ほんとに？ほんとに、いいの……？」


こんな状況でもわたしを気遣ってくれる彼が愛しくて、自分から腕を回して、囁いた。

「全部、好きにして」


次の瞬間、強く抱き寄せられたかと思うと、息を吸う間もなく再び唇が重なる。

「んんっ……ぅ」


肌に触れる感触は優しくて、でも確かに切羽詰まったような熱を帯びていた。

「平助くん……っ」

名前を呼ぶ声が、自分でも驚くほど甘く掠れてしまう。


「ももかちゃん……」

着物が大胆に開かれ、露わになった胸元に唇が寄せられる。

舌でなぞり、軽く吸うたびに、ぞわりとした甘い感覚が溜まっていく。


やがて彼の指が内ももを這い、秘部にたどり着いた。

「っ……そこ、は……っ」

彼は一瞬だけ動きを止め、わたしを見上げる。

「こんなに濡れてる……俺のせい、でしょ？」

平助くんの声が、まるで脳内を支配するように響く。

ぬるりとした感触と同時に襲ってくる快感に耐えきれず、わたしは腰を浮かせて喘いだ。


「ももかちゃん……可愛い……俺、もう限界……」

大きく硬くなったものが入り口に当てられ、その熱さに体の奥が震える。


「ももかちゃん……俺のこと、見てて……」

ゆっくり、でも力強く、彼がわたしの中に入ってくる。

快感が全身を貫き、わたしは甘く叫びながら、畳の上で身をよじらせた。


「……ももかちゃん……っ、好き……ほんとに、好きすぎて苦しいよ……」

「わたしも、好き……平助くん……っ」

「……もう、離したくない……」


その夜、いつもよりもずっと素直な平助くんが、熱く、必死に、何度も何度も、わたしの名前を呼んでくれた。


湯上がりの熱と、心の熱とが重なって――

朝が来るまで、ぬくもりは途切れなかった。



fin.