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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※


次に向かったのは、A組の寮。

今まで見たことのないほど、焦った足取りで。

A組の寮に足を踏み入れた瞬間。

切「相澤先生っ!緑谷が……手紙を!」

相「……なんだと?」

嫌な予感が、さらに重なる。

相「……緑谷も、いないのか」

空気が、凍りついた。
そこにいたA組全員が、息を呑む。

轟「緑谷……"も"…?」

轟の声が、かすれる。
視線が、一斉に相澤の手元に集まった。

麗「……それ……手に持ってるのって……」
八「……ダイヤのネックレス……」
爆「のだ……」

爆豪が、低く言った。

その瞬間。
全員の中で、同じ“最悪の答え”が浮かび上がる。

相「……が……居ない」

相澤の声は、信じられないほど静かだった。

相「どこにも……居ないんだ……」

その言葉と同時に。
A組から光が消えた。

色が、音が、全部、抜け落ちる。

「……」

誰も、言葉を出せない。

轟「……3日前」

ぽつりと、轟が言った。

轟「俺に……会いに来た」

爆豪が、歯を噛みしめる。

爆「……一昨日、俺ンとこ来た」

相「………………」

相澤は、何も言えなかった。
ここにいる3人は、同時に理解してしまった。

――あれは、別れだった。

なのに、違和感は確かにあったのに。
不安定だからだと、勝手に理由をつけて。

自分がそばにいればいい。
支えればいい。

そう思い込んで、気付けなかった。

結果が、これだ。

静まり返ったA組の寮。

誰かが泣くわけでもない。
誰かが怒鳴るわけでもない。

ただ、取り返しのつかない喪失だけが、そこにあった。

相澤は、ネックレスを強く握りしめた。

指の間から、光がこぼれる。

相「……」

教師として。
大人として。
そして――一人の男として。

その背中は、初めて、はっきりと揺れていた。
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