• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※


そして次の日。

ノックをしてドアを開けると、爆豪は机に向かっていた。
振り返った瞬間、目を見開く。

爆「?」

「……うん。ちょっと、会いたくなって」

その言葉に、爆豪は一瞬だけ言葉を失う。

嬉しい。
自分の元にの足で来てくれたことが。

爆「…来い」

部屋は相変わらず、整えられている。
にとっては、見慣れた空間。

爆豪はの目を見ながら聞いた。

爆「体調は?」

「……うん、まぁまぁ」

爆「嘘つけ。……目が死んでんだよ」

は何も言えず、笑っただけだった。
その沈黙を破るように、に近づく。

爆「……なぁ」

距離が、近い。

爆「なんか、最近変だぞ」

「……そう、かな?」

爆「なんつーか…」

低い声。

爆「いなくなるみたいな顔、すんな」

の胸が、ぎゅっと締め付けられる。

は、爆豪の服の袖を掴んだ。
それは、考えてのことじゃなかった。

ただ、この温もりを忘れたくなかった。

「……勝己」

名前を呼ばれた瞬間、爆豪の呼吸が、ほんの一瞬止まる。

爆「……どーした」

ぶっきらぼうな声。
でも、その奥に隠しきれない愛。

は、唇を震わせて言った。

「……抱きしめて……」

爆「……は?」

そんな言葉を、向けられたことはなかった。

次の瞬間、爆豪は迷いなくを引き寄せた。
額がぶつかるほど近く、強く。
逃がさないみたいに。

あったかい。離れたくない。

爆「…………」

は、その胸に顔を埋める。

「勝己……ごめんね」

その謝罪は、声に出した以上の意味を持っていた。

離れる覚悟をするために、最後に縋ってしまった。
勝手に、自分の中で区切りをつけようとしている。

そんな、言葉にできない全部。
/ 742ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp