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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第54章 暴かれる真実、踏み潰される祈り


爆煙が晴れた戦場は、不気味なほど静かだった。
崩れた瓦礫の中で、誰もが限界を迎えていた。

その静寂を最初に破ったのは、爆豪だった。

声にもならない息を漏らし、ゆっくりと目を開く。
刺された腹部が焼けるように痛い。

それでも、身体は勝手に前へと動いていた。

地面を掴み、少しずつ身体を引きずる。

の姿だけを探していた。
やがて視界の先に、倒れるその姿が映る。

微かに上下する胸。
その小さな命の証を見つけた瞬間、爆豪は深く息を吐いた。

安心したように、そのすぐ傍へ崩れ落ちる。

戦場は再び静寂に包まれる。

少し離れた場所で、轟がゆっくりと瞼を開いた。

霞む視界、耳鳴り。
立ち上がろうとして、膝から崩れる。

轟「…、」

掠れた声。

それでも前へ進む。
痛みなど、もう感じていなかった。

願うことは、一つだけ。
無事でいてほしい。

足を引きずり、ようやく辿り着く。

そこには爆豪が倒れ、そのすぐ隣にがいた。

その胸が、確かに動いている。
それを確認した後、張り詰めていた糸が切れたようにその場へ静かに倒れ込んだ。

やがて相澤も、重たい瞼をゆっくりと持ち上げた。
視界はぼやけ、意識も途切れ途切れだった。

それでも、考えるより先に身体が動く。

教師だからではない。
ヒーローだからでもない。

ただ、会いたかった。
無事でいてほしかった。

その想いだけが、消えかけた意識を繋ぎ止めていた。

地面手をつき、一歩にも満たない距離を何度も崩れながら進む。

ようやく辿り着いた先で、相澤は止まる。

のすぐ傍には、爆豪と轟。
2人とも、辿り着いたところで力尽きたのだろう。

相(……お前らも、か)

2人が無事だったこと。
そして、自分と同じように、最後の力を振り絞ってのもとへ来たこと。

もう、何も言う必要はない。

相澤は震える右手をゆっくりと伸ばし、の手へ重ねた。

温かい。
その温もりが、確かにそこにあった。

生きている。
その事実だけで十分だった。

相澤は力なくの右手を握る。

4人は寄り添うように倒れていた。
誰一人、言葉を交わすことはない。

それでも、その温もりだけは確かに互いへ届いていた。

そして戦場は、再び静寂に包まれた。
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