第51章 祝福の日、初めて知る幸せ
新しい年を迎え、学校が始まって数日。
インターンを終えたA組は、以前よりどこか逞しくなっていた。
疲れもある。
けれど、それ以上に得たものが大きかったのだろう。
一人ひとりの表情には、少しだけ自信が宿っていた。
教室は今日も朝から賑わっている。
雄英高校にはいつもの日常が戻っていた。
そんな賑やかな教室の扉が開く。
「みんな、おはよう!」
明るい声が響く。
その瞬間、教室の空気がぱっと華やいだ。
切「先生、おはよう!」
葉「先生、おはよー!」
あちこちから返ってくる元気な挨拶に、も自然と笑みを浮かべる。
「うん、おはよう」
教室を見渡したその時、ふと轟と目が合った。
「おはよう、焦凍」
轟「おはよう、」
短いやり取り。
そしては、思い出したように小さく笑った。
「あ、それと」
轟が静かに首を傾げる。
「お誕生日、おめでとう」
その一言で、教室が一瞬静まり返った。
轟も、ぴたりと動きを止める。
轟(……そうだった)
自分でもすっかり忘れていた。
けれど、が覚えていてくれた。
一番最初に、「おめでとう」と言ってくれた。
その事実だけで、胸の奥がじんわりと温かくなる。
芦「えっ!?轟今日誕生日なの!?」
上「マジかよ!言えよー!」
瀬「知ってたらプレゼント用意したのに!」
轟「……いや」
少し照れたように視線を逸らす。
轟「俺も、さっき言われるまで忘れてた」
その一言に教室がどっと笑いに包まれた。
麗「でも、おめでとう!」
切「おめでとー!」
「「「「おめでとう!!」」」」
次々と重なる祝福の声。
轟は少し困ったように笑いながら、それでも嬉しそうに「ありがとう」と返した。
こんなにもたくさんの人に祝われる誕生日は、初めてかもしれない。
その光景を見つめるも、どこか嬉しそうに微笑んでいた。