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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第48章 乱れる鼓動、還る温度


交流会がお開きになり、寮を出たを、相澤が静かに呼び止めた。

相「送る。…夜は冷える」

ただそれだけを言って、隣を歩き始める。
前と同じ距離。
けれど心は、まだ少しぎこちない。

しばらく静かな夜道を歩いたあと、が足を止めた。

「……あの、消太さん」

相澤も足を止める。
夜風がゆっくりふたりの髪を揺らしていく。

「この前の夜……すみませんでした。優しくしてくれたのに、逃げちゃって……」

胸の奥が苦しくて、うまく言葉が続かなくなる。

相澤はしばらく黙っていたが、やがて深く息を吐いて言った。

相「……怒ってない」

「え……?」

相「逃げたくなる時ぐらいある。無理に踏み込もううとは思ってない」

それは優しすぎて、包むようで、心臓に触れるみたいに温かかった。

そして相澤は、ふっと視線を落とし、少しだけ苦笑する。

相「ただ……正直、少し堪えたが」

「……っ」

相「でも今日。倒れて抱き上げた時……離したくないって思った」

その低い声に、夜の空気が震える。

の胸が、一気に熱くなる。

相「もう距離を置く気はない。……お前が嫌だと言わない限りはな」

そう言って、そっとの頬に触れた。

前より近い。

でも恋人になる一歩手前の、ちょうど今のふたりにとって最適な距離。
2人だけがわかる、特別な距離。

は目を伏せて、小さく頷いた。

「……嫌じゃないです。……うれしいです」

相澤はその言葉を聞いて、ようやく、ほんのわずか微笑む。

相「……なら、もう大丈夫だ」

そしてふたりは、前と同じ安心できる距離で並んで歩き出した。

心はもう遠くない。
静かに、確かに元に戻っていた。
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